今、あなたの経済状況は
生活に困らないだけの収入がありますか
失業して仕事を見つけられずにいませんか
貯金を食いつぶしていませんか
生活保護制度について知っていますか
住んでいた借家が潰れたあなたは
もう帰る手立てはないと思いますか
敷金を返してもらったら、権利を失うと思いますか
自分で建てる方法があるのを知っていますか
生活保護法は、日本国憲法第25条の理念にもとづき(資料編参照)、すべての国民に健康で文化的な生活を保障するためにあるものです。これには3つの原則があります。
1、無差別平等の原則
以前どんなに財産を持っていたとしても、また持っている親族がいても、株に失敗して破産したのだとしても、アルコール依存症でまったく働いていなくとも、生活保護は受けられます。
原因はどうでも、現在、生活に困っているかどうかだけが問題だからです。(アルコール依存症は病気ととらえられます。)
家を持たない人でも(たとえば洞窟に住んでいたとしても)、もちろん受けられます。公園テントに住む人の申請も、1995年、受理され、支給が開始されました。
2、最低生活の原則
憲法25条のいう最低限度の生活水準を維持するためのものです。
ですから病院に通う交通費や、老人用のオムツ代、引っ越し費用も出ますし、売りとばしても生活の足しにならないような家財(テレビ、クーラーなど)を持っていても大丈夫です。
3、補足性の原則
家があって職があっても、必ずしも生活するのに、十分とは言えないことがあります。
家は、たとえ売っても大したお金にならなければ、資産とは言えません。働いて、他の貸し付け制度を利用しても、なおかつ収入が少なければ暮らしていけません(もちろん貯金があるようなら、先にそれを使ってからということになりますが)。
年金が月5万しかない、一人暮らしのお年寄りがいるとして、だいたい月4万ちょっとの支給と、家賃補助が出ます。
資産や働く能力、他の貸し付け制度を利用しても、なおかつ生活に困る、というのはよくあることです。ましてや、震災で住まいをなくし、体をこわし、精神的にもまいっている人が、そうそう「自立」できるものではないのは当然のことです。
私たちの税金は「困った時はお互いに助けあう」ためのものでもあるのですから、まず一人ひとりの生活をたてなおすことこそが、「復興」に必要なことだと思います。
医療保険の減額制度について(役所の国民健康保健課や病院で相談しましょう)
医療費の自己負担分が一定額をこえる場合、申請すれば、こえた金額があとで支給されます(高額療養費の支給)。委任払い制度を扱う病院なら、先に申し込んでおけば、負担金をこえた額を先払いしなくてもすみます。
☆1人の自己負担額が、同じ月に6万3600円(低所得世帯3万5400円)以上の場合
☆1世帯で、同じ月に3万円以上の自己負担が2回以上あり、合計6万3600円(低所得世帯3万5400円)以上になる場合、など。
生活が困窮して、一部負担金が支払えない場合、支払いを減額、免除してもらえる、あるいは待ってもらえることがあります(一部負担金減免制度)。
前年の所得が基準を下回る場合、国民健康保健料は少なくなります(保険料の軽減)。
病気やケガをしてしまってから国民健康保健に入っても、間に合います。
借地人・借家人の権利について ―罹災都市借地借家臨時処理法(罹災都市法)―
この法律は、地震などで建物がなくなってしまった(「滅失」と言います)借地人・借家人の権利を守るためのものです。1995年2月6日から施行されています。主な内容は、次のようなものです。
@ 建物がなくなってしまっても5年間(〜2000年2月5日)は借地権が認められる(10条)。借地期間も延長される(11条)。
A 借家人でも2年以内(〜1997年2月5日)に申し出れば、元の土地を優先的に借りて家や店を建てられる(2条22条)。敷地の一部でも可能(5条)。
B 建つ前に申し出れば、元の土地に最初に建つ建物に優先的にはいれる(14条)。
具体的には、たとえば、
@ → 元の借地にかなり丈夫な小屋を建てて住むことができます。コンテナより安くできるし、登記もできます。
A → 借家人が共同で土地を借りて、共同住宅を建てる方法があります。
B → 特目賃制度(※)を活用できます。建物自体がなくなっても、敷金を返してもらった後でも、借主としての権利は残ります。
しかし、罹災都市法は戦後すぐにつくられたもので、現在の入り組んだ土地事情にみあったものではありません。お金のない借家人は権利金を払えなかったり、借地を申し込んでも安い立ち退き料であきらめざるを得なかったり(通常、借家人は土地の価格の十分の三は権利をもつといわれています)、また逆に、地主・家主の方が大損をすることもあります。けれども一応、こういう事があるということは知っておいた方がよいでしょう。
※特目賃[とくもくちん](特定目的借上公共賃貸住宅制度):200平方メートル以上の土地であれば、市に借り上げさせ、設計・建築費や家賃を補助してもらい、賃貸住宅を建てることのできる制度です。
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