HIC来神!

 神戸YWCA救援センターは、最近の神戸の震災被害における被災市民の住環境とそれにともなう行政の対応に著しく問題があるという観点から、これは人権問題であると考えています。
 1995年夏は、テント村、避難所、待機所、仮設住宅、在宅すべてにおける状況が国際人権規約に保障されている居住権が侵害されているという認識のもと、巡回訪問(リサーチ)先の地域の方々に近畿弁護士連合会への「人権救済申し立て」を勧めてきました。その結果,救援センター関係で計8件の申し立てが実現しています。
 また、1995年8月20日の災害救助法の適用打ち切りに伴い、弁護士の熊野勝之氏と共同で呼びかけ人となり、居住と人権に関する国連認定NGOであるHICの調査団を迎え入れることにいたしました。被災後の、特に住環境に関する調査をお願いし、現在の状態が少しでも良くなるように、国外からの働きかけを期待したのです。

◆来日日程 1995年9月24日〜10月1日(日) 8日間

◆調査団構成メンバー
スコット・レッキー Scott Leckie(アメリカ)COHRE事務局長
エンリケ・オルティス Henrique Ortiz(メキシコ)HIC前事務局長
アロマー・レビ Aromar Revi(インド)TARU事務局長
レイラニ・ファーハ Leilani Farha(カナダ)人権弁護士

◆調査内容(神戸/東京)
・神戸の被災状況の視察
・震災関係NGO・NPO・CBOの訪問
・テント村/避難所/仮設住宅等現地調査
・国・県・市(行政)との会見
・居住に関する学識経験者およびジャーナリストの訪問
・記者会見 など

◆関連プログラム
居住と人権に関するシンポジウム
10月4日(水)午後5時30分より県民会館
※ACHRおよび神戸に関心を寄せる個人と団体の集まり「居住と人権を考える会」(救援センター含む)の共催

*HABITAT INTERNATIONAL COALITION(HIC):ハビタット国際連合 HICは1976年に組織され、1987年に再編成、現在60カ国以上のNGOがメンバーとして参加している。HICの目的は、先進国であれ開発途上国であれ、人々が平和裡に人間の尊厳を持って生活できるような場を確保すること、ホームレスや適当な家を持たない貧困者を国際レベルで守り、支援すること、などである。 アジアではACHR(ASIAN COALITION FOR HOUSING RIGHTS):アジア居住権連合がこのHICに加盟している。

*ACHR: 都市の住宅問題、特に貧困層の住宅問題に取り組むNGO。専門家、住民組織を結ぶネットワーク。1988年に設立され、現在はアジア太平洋地域12カ国に接点を持っている。HICのアジア地域代表組織でもある。

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