「上筒井から」Vol.9(Mar. 2001)
・・・会館移転にあたって・・・

わいわいランチ(給食サービス)

今までの活動をふりかえって



 3月末で神戸YWCAが移転することになった。新しい会館は現在の所から南西に歩けば30分ぐらいの所だが、“わいわいランチ”は旧館近くの分室で活動を続けることになった。調理はカフェテリアのメンバーにお願いし、従来通り配食は私たちボランティアがやることになる。

 折から神戸市でも配食サービスが始まった。65才以上の単身者、障害者、高齢者のみの世帯、又はこれに準ずる世帯等で調理困難な世帯が対象で、利用者は各区に3軒ある業者の中から任意に選ぶ事ができるということである。

 また配食したときに利用者に異常があれば各連絡先に連絡し必要な対応を行うという。正にこれこそYWCAがこれまでやってきた事で、私たちの目指した方向は間違っていなかったと意を強くしている。

料金は利用者負担が450円で、配送費、見守り費として市から業者に350円が支払われ、1食分として合計800円が業者に入ることになる。

 現在Yは1食400円でお届けしているが、助成金と合わせボランティアが配食しているとしてもかなりきつい数字で、早晩いくばくかの値上げをお願いせざるを得ないだろう。

 移転作業中の休業と合わせてお知らせをだし、改めて利用者の方たちから申し込みを受ける予定にしているが、ボランティアの確保という問題もあり大きな課題である。しかし私達は、YWCAならではの家庭料理と利用者の方たちとの心をこめたふれあいを大きな支えとしてさらに発展させていきたいと願っている。 思い返せば、震災後の炊き出しからはじまったこの配食サービスも6年目を迎えようとしており、多くの方々と出会わせて頂いた。

 当時からずっとお届けしている御影のAさん、以前と変わらず高齢のご主人が寝たきりの奥様を介護しておられる。車椅子でお一人暮らしをなさっていたBさんは、息子さんの所に移られた。やはりお一人で暮らしておられて、いつも私たちの姿が見えなくなるまで見送って下さっていたCさんは入院され、お見舞いに伺っても顔を分かってくださらなかったと聞く。コンテナハウスにお住まいだったDさんはHATの復興住宅に入居されたが、その後どうしておられるだろう。仮設住宅に住んで居られたEさんは元のお住まいの跡に自宅を再建され、お体不調とおっしゃりながらもご夫婦仲良く暮らしておられる。

 やはり高齢の方が多いので、入院なさってその後のご様子の分からないという方も多く、あの方、この方懐かしく思い出されるが、勿論変わらずずっとお届けしている方達もあり、どうかいつまでもお元気でと願わずにいられない。

 ともあれ“わいわいランチ”も今また新たなスタートラインに立った。試行錯誤を繰り返すことになろうが初心にかえって取り組んでいきたいと思う。

(征)
わいわいランチ


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