<川和保育園からのメッセージ>
神戸YWCA震災復興委員会と川和保育園『ボランティア委員会』 川和保育園は横浜市にある私立認可保育園です。園庭の木々には季節ごとにさまざまな恵みの実がなり、子どもたちはそれぞれの果実が生まれ、育ち、熟していく過程を見ながら、食べられる日の訪れを今か今かと待っています。「赤い実はまだすっぱいから食べちゃだめ、真っ黒に色づいているものなら食べてもいいよ。」「一人一日一個しか食べちゃいけないんだよ」。桑の木の下には口のまわりやシャツの胸元を紫色に染めた子どもたちがいつでも集まっており、お迎えにきたお母さんたちに守らなければいけないこれらのルールを教えてくれます。やがて桑の実がすっかり子どもたちや鳥たちに食べ尽くされると、梅雨も本番となりアンズの実が収穫されます。
このような豊かな保育環境にある川和保育園ですが、父母の会もまたユニークです。みな仕事をしながら幼い子どもたちを育てている忙しいお父さん、お母さんたちですが、自分の子どものことだけではなく子どもを取り巻く社会のいろいろな問題をみんなで考えていきたいという思いから「専門委員会」といういくつかの委員会が活動を行っており、『安全食品委員会』『原発の恐ろしさを知る会』などがあります。そしてみなさんと5年のおつきあいをさせていただいている私たち『ボランティア委員会』もこの専門委員会の一つです。
『ボランティア委員会』はもともとシャプラニールというバングラデシュの貧しい農民達の自立を助ける活動をしているNGO団体への支援を活動の柱としていました。しかし、5年前の震災の時に被災者の方たちのために何かできることがあれば、と当時の神戸YWCA救援センターへの支援を始め、それが今日に至っています。私たちは”震災募金”と銘打って毎月17日に募金箱を出し、保育園へ子どもを送ってきたお母さんお父さんたちに募金していただいています。さらに、6/10(土)には、『阪神淡路大震災被災者のためにリサイクルマーケット』を行いました。小さくなって着られなくなった子どもたちの服や靴を、求める人たちに買ってもらい、そこで得られた収益を復興委員会へ送らせていただきました。手軽にできる募金とは違い、古着を出すことや買いに来ることは簡単なことのようで、実はめんどうなことです。でもそのめんどうさを引き受けることで、一人一人が神戸のことを思い出すきっかけになればと考えました。
震災から5年の歳月が流れ、日々各地の大きな災害のニュースが伝わってきます。父母の中には「なぜいまだに神戸を?」という思いをもっている人がいることも事実です。人々の記憶が薄れていく中での支援活動の難しさは震災復興委員会と同様、私たちも感じています。けれども私たちはこの5年間支援を続けてきた意味を大切にしたいと考えています。必要としている人が居続ける限り、そちらに顔を向けておく優しさを私たちは持ち続けたいと思います。とはいえ、私たちは遠く離れた横浜におり、震災の経験もありません。被災された方たちが今どんな支援を求めているのか、なかなかわかりません。何かありましたらどうか声を上げて私たちに忌憚のない意見をお聞かせください。
子育てに追われる毎日ですが、大変な日々だからこそ誰かに助けてもらえることの嬉しさがあります。そして、一方で、誰かの力になれることも私たちの大きな喜びなのです。被災された方たち、そしてそれを支える復興委員会の方たち、すべての方たちにエールを送ると共に、私たちとのおつきあいがこれからも末永く続くことを祈っております。
(川和保育園父母の会 朋)