「上筒井から」Vol.12(March 2002)

復興住宅茶話会


 灘北住宅第2住宅の集会所で茶話会が始まって、3ケ月になる。きっかけは、被災者生活復興調査の会がとったアンケート結果を聞いたり、実際、被災者の集いで、当事者達にお会いしているうちに、孤独を感じられている方が多く、それが、とても深刻な問題になっていると感じられた。特に、YWCA旧会館より近い灘北第2住宅は、復興住宅第1号で、仮設住宅にお住まいの高齢者、障害者を優先に入居させた結果、コミュニティー形成が、他住宅に比べ、困難となっていた。復興の後遺症と理解した。せめて、月1回でも、寄り集まりがあって、閉じこもりを防止したり、お互い顔見知りになってもらい、コミュニティー作りの助けとなれば、と自治会の方と相談後、震災復興委員会で、茶話会を開くことになった。

 第1回目は、クリスマス会として、フルート演奏を聞き、続いて、生演奏を伴奏に数曲共に歌う場となった。2〜3回目、特に催しはなかったが、皆さんのご要望に応じ、懐かしの歌などを一緒に歌っている。歌うのをとても楽しみにしておられるようだ。

 各テーブルに集った方が、お菓子とお茶を囲み、家族の話、世間話、思い出話、楽しい話、悲しい話を語り合っていた。私も、テーブルにつき、お話に聞き入る。震災やご病気で、おつれあいさんを亡くされ、一人暮らしの方も、少なくない。重度障害者をかかえている方もいらっしゃる。仮設住宅の時の方が良かったという話も聞く。気密性の高い住宅で、寒さ、プライバシーは、守られても、ドアを閉めてしまえば、孤立状態となり、倒れた時、誰にも気づいてもらえないのではという不安も聞く。一日中、全く部屋から出ない、全く口をきかない日もあるから、歌うのが楽しみでという話も聞く。家族がいても、介護で疲れたり、親一人子一人で、喧嘩が絶えなかったりとも聞く。いくらバスが無料でも、足が悪いので、病院へは、タクシーになってしまうので、費用がかさむという話も聞く。

 ここに永住していく方にとって、本当にこのような茶話会が必要だなと実感している。また、住民の方々にも、毎回楽しみにしてもらっている。お互い同じ時間を共に過ごし、同じ住民だと意識が高まるにつれ、話を共有したり、愚痴をこぼしやすくなったり、助け合ったりして、コミュニティーが育っていくと思う。企画は、震災復興委員会でしているが、自治会の方も非常に積極的で、共催している。委員以外のボランティアも毎回、与えられ、感謝だ。住民の方の中でも、準備や片付けを一緒にして下さる方も出てきた。高齢者、障害者の方が確かに多いが、少しずつ、住民のボランティアが増え、活性化することを願っている。(裕)

★茶話会★
場所:灘北第2住宅集会所(最寄駅:JR灘駅、阪急王子公園駅)
日時:第3週月曜日2時〜3時半
☆企画メンバー、当日のボランティア募集



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