「上筒井から」vol.10(July 2001)

国連社会権規約の日本政府報告書審査の日程決定



 日本政府が98年、国際連合に提出した食料、医療、住居などに関する報告書が、8月21日に審査を受ける。95年末のデータを基に国内の人権状況を報告したものだが、大震災に関する記述もなく、内容はかなりお粗末だ。審査にあたる社会規約委員会は、改めて震災関連を含む追加情報を求めたが、復興に関する政府の回答は、手段を尽くし復興は完了したとしか取れない内容だ。
 先頃、日本担当のリーデル(E. Riedel)委員が聞き取りのため来日した。在日外国人や部落、女性の立場、そして震災復興など、問題が多々あることを把握しているらしい。政府はいいことしか報告しないから非政府筋からの具体的な情報提供が必要だと、人々の声を求める彼の姿勢は明解だった。今からでも、8月13日までに非政府筋の追加レポートを社会権規約委員会宛に英語で送ってもらえば、審査までに見られるだろうという同氏の発言を受けて、人々からの提出の動きに加速がついたように思う。審査後に委員会が出す最終所見が楽しみだ。

(玲)


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